2009年11月7日土曜日

なぜの喚起



この人について何も知らなかったのだが、
「社会と芸術をつなげた現代芸術家」と紹介された文章をWEBで読んで行くことにした。
"BEUYS IN JAPAN" 場所は水戸芸術館、この美術館はいい展示をやっていると思う。

手段として芸術をやっていた人なのだと思う。

展示された大量の作品は、文化的背景、時代背景を知らないと理解の難しいものばかりだったが
作品のタイトルは明確に付けられていて、タイトルのおかげで作者の意図に思いを巡らすことができた。
そのタイトルを伝えるために作品を作っていたのではないかな、とも思えてしまった。
また、来日時の記者会見や芸大での対話集会で語られるボイスの言葉は明快でわかりやすいのだった。

勝手に想像してしまえば、政治家にでもなれたであろうし、なろうと考えたこともあったのかもしれない。
しかし芸術家を選択し、"なぜ"の喚起で革命を起こそうとしたんだろうな。

私が試みているのは、鑑賞させる美術作品ではなく
作品を通してなぜそれが成立しているのか、
それがいかに社会と関わりをもっているのか
そういう"なぜ"を喚起するものなのです。


機会があればもう一度見てみたいと思う展示だった。
ボイスが言っていた”すべての人間は芸術家である”という言葉を聞いて
ゲバラの言った”新しい人間”という言葉を思い出した。
diversityとconcentration、一見すると相反しているようだが
そう遠くないことを言っているように思えた。

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